「なんちゃって音楽研究所」臨時号
コロナウイルスで世界は大変なことになっています。
みなさんいかかがお過ごしでしょうか。所長のRamoonです。
今回は順番から言うと「渚のバルコニー」の考察なんですよね。
下書きをしたりしていたのですが、なんだか気が乗らないまま時間が過ぎたという感じです(;^_^A
言い訳しますと、とある勉強を始めましてそちらが忙しくなり・・・。
ま、それはいいとして今回は!臨時号としまして、やはり80年代の音楽を語りたい!
(「渚のバルコニー」はすいません、また今度で!)
僕達のダイアリー 歌:H₂O
二人組のH₂Oのセカンドシングルです。H₂Oといえばアニメ「みゆき」のエンディングテーマ「想い出がいっぱい」が有名ですよね。あと「Good-byeシーズン」とか。
ニューミュージックと呼ばれるジャンルのデュオの中で、初期のチャゲアスとかアリス(3人組ですが(;^_^A )とかのフォーク要素は感じない、さわやかなイメージがあります。
さて、この曲は1980年にフジテレビ系で放送されたテレビドラマ「翔んだカップル」のエンディングテーマであり、このドラマと一心同体といってもいいかもしれません。(映画版もあり、こちらは薬師丸ひろ子さんが主演しています。こちらにも挿入歌としてH₂Oの歌が起用されています)
当時、私もまだ小学生だったような気もしますがこのドラマを記憶しています。あらすじを紹介しますと、高校に入ったばかりの主人公・田代勇介と同じクラスの山葉圭が不動産屋の手違いから同じ屋根の下で共同生活を送ることに。そのうちお互いに好意を抱くようになるが想いを素直に伝えられない。また、三角関係やら四角関係やらに発展していく。というようなもの。
このドラマ版はオリジナルストーリーとはかけ離れているそうですが、私の中ではとても好きなドラマでした。特にヒロインの山葉圭(桂木文)さんのチャーミングさには参りました。ただ、このドラマ以外であまり見たことはないんです。もっと活躍されててもいい女優さんなのに。
桂木文さんはこのドラマの前に郷ひろみさんの恋人役のオーディションで4万人の中から選ばれたそうです(すごい!)。このドラマのセリフの言い回しが時代をよく反映しています。
「ずいぶん嬉しそうですね。訳は分かっていますけどね。」「何のこと?」「中山君にあれだけ積極的にエスコート申し込まれりゃあね。」「あら!何よ、そういう勇介君だって杉村さんからさ、あんなに積極的にホスト役申し込まれて。やらしい。鼻の下が伸びてますよーだ。」「バカな!」
このセリフのやり取り(笑)。この当時の男女でもこのようなやりとりが一般生活で存在したのであろうかと首をひねりました。まるで時代劇のセリフぐらい非現実的なのです。「俺は男だ!」ぐらいの世界感であります。
さて、話は大きく逸れましたが、この世界感を持つドラマ「翔んだカップル」のエンディングテーマとしてドラマの放送終了後、歌が流れるわけですが、なんとも切ない気分になるのです。「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマ、EPOの「DOWNTOWN」が流れ始めた時の気分に似ているのです。番組が楽しい分だけ終わりが寂しく感じてしまう現象。まさしくそれでした。
ドラマ版の「翔んだカップル」はほとんどラブコメディーといってもコントに近いものでした。毎週続く、長い長いコントを見ているようでした。その中に淡い恋心を抱く若者の青春生活が描かれていたのです。YOUTUBEのコメント欄でも「涙が出てくる」とありました。まったくの同感です。コメディーを見て涙が溢れる。その心に何が浮かんでいるのでしょう。
たかが恋などと言ってくれるなよ 僕には大問題だ ややこしくて
女心にはまるでお手上げさ 大胆不敵な天使 かなわないよ
さあ、やっと歌詞です(笑)
来生えつこさんの歌詞です。中森明菜さんの「スローモーション」や「セカンドラブ」などで有名ですね。
この曲の歌詞はホントに当時の中学生あたりが思い描く女性への期待や関心で満たされています。なんと瑞々しくピュアなんでしょうか。ここの辺りがドラマとリンクしています。「大胆不敵な天使」この歳頃は女性の方が精神年齢は高いようで、今考えると男どもはなかなかに子供だったような気がします。「大胆不敵な天使」この言い回しで想像が膨らみます。うまいですね。
キスの味はレモンパイ 肌の香りラベンダー
その気にさせて肩すかし 僕をじらすよ
有名な歌詞ですね。「キスの味はレモンパイ」(笑) くーっ。川平慈英風に唸ってしまいます。味なんてあるわけないよね。なのにこう来る。そう、想像が作る、妄想が作る表現。中学生が思い描いたことでしょう。
「肌の香りラベンダー」並列してこの表現がきます。意味合い的に「キスの味」と同じ。ラベンダーの香りって(笑)。そう、するかもしれない(笑)。頭の中が誤作動を起こし脳内でラベンダーの香りを感じとるやもしれない。これぞ、この歳頃の身体が生み出す不思議。と、いうところまで表現しているのですよ!
あちらこちらカップルが 翔んで翔んでうわの空
やたら僕を刺激する ドンマイドンマイ今に見てろよ
パートナーのいないクリスマス、誕生日ほど寂しいものはない。私は友人と略してLC、LBと呼んでいました。ロンリークリスマス、ロンリーバースデーの略なのです。モテない輩は今でいう「リア充」の人々を敵対視しうらやむのである。うむ。
「ドンマイドンマイ 今に見てろよ」ードント マインド(気にするな)ー野球部などでドンマイドンマイ、と普通に耳にしましたが、よくわかってなかった言葉です(;^_^A
今に見てろよ、ってのは今でも思ってしまう。綺麗なおねーさんと一緒に歩いている男にはね!(笑)
さて、サウンド面ですがBm→D→G#m7♭5→Gのベース音が落ち方が好きです。Aメロのベースラインも。耳に心地いいです。エレピの音色・メロや後ろで流れているシンセ?これがアンニュイなニュアンスを出しているんじゃないかと。あの、「オレたちひょうきん族エンディング現象」を。Aメロ二回目でパーカッション、フルートが入ってきます。フルートもダメですよ。切なさを助長しますから!
サビに入るとベースがスラップをはじめ、グルーブ感が出てえらくかっこよくなります。ハイハットオープンもかっこいいですね。「その気にさせて肩すかし」のところのベースラインとエレピの絡み合いも憎いです。サビの二週目ボーカルがハモりだし、スネアのフィルインのとこ、しびれる~!なぜこの曲が名曲とならないのか?素晴らしい!
間奏も今回初めて耳にしたのだが、SAXソロだったのですね。こちらもかっこいいのできいてみてください。
この曲はこのドラマの世界感と切り離せないと思います。過ぎ去りし遠い青春。それを噛みしめながら聴くのが一番です。
さて、今日はここまで。
ではまた。
See You