なんちゃって音楽研究所

80年代音楽を中心になんちゃって考察をするブログ

私の松田聖子論 各論「Pineapple」8

 

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引用:集英社「明星3月号(1982)YOUNG SONG」より

このブログも2019年4月から始めて、もう一年半ですよ。

早いもんですね。時が過ぎてゆくのは。

こういうのなんて言ったけな・・・。

あ、「ジャネーの法則」か。

「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」

ということらしいです。

 

さ、今夜もよろしくお願いします。

 

3  Pineapple

赤いスイートピー

 作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂 編曲:松任谷正隆

 

とうとう来ましたね。赤いスイートピー。歌い継がれる名曲です。

最初のピアノからウルッときちゃいます。なんだこの切ない旋律は。この時点でいい曲だとわかるよね。正隆さん、すごいっ!車好きなのよね、正隆さん。(関係ないか)

 

1982年1月にリリースされた8枚目のシングル。だからこの曲を聴くとあの頃の冬の季節にタイムスリップしちゃう。わたしもちょうど思春期と呼ばれる時期に差し掛かってまして、ほんと春まっさかり!でした。歌詞の内容にはまだ幼い年齢でしたが、異性に対するあこがれもあり、恋人ってこういう気持ちになるの?なんていうふうに聴いたものでした。

 

繰り返されるピアノのメロディ。そしてそこに加わってくるやさしいコーラス。

ほんとにやさしいラブソングだ。これから始まるストーリーにわくわくします。

 

春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ

煙草の匂いのシャツにそっと寄り添うから

 

「春色の汽車に乗って」この歌詞から暖かな春の陽気を感じます。そして桜をイメージしたピンク色。これだけで、温度、色彩を感じます。そして、彼と海にデートに行くようです。煙草の匂いというのですから、まあ大人の男性というところでしょうか。寄り添うという表現からつつましげな彼女が目に浮かびます。

 

こんな優しげな入り方あった?聖子ちゃんの曲で。意外とないような。ピアノメインのシンプルな伴奏。しっとりとしたメロディ。メロディの隙間を埋めるオブリガードも最高!

 

「寄り添うから」の後のストリングスの旋律いいですな。Bメロにきれいにつながっていきます。

 

何故 知り合った日から半年過ぎても

あなたって 手も握らない

 

いいねー。ピュアな恋愛。女の子にはまどろっこしくなるのでしょうな。「ええい!てやんでい、べらぼうめ!さっさと手を握っちまえばいいんだよー。」と思ってるはず。(そんなわけあるかい!(笑))

 

まあ、でもね。男側からすると大事に想いすぎて何もできなかったりするのよ。嫌われたらどうしようってね。ま、これもこの時代のあるあるかもね。わたし最近、石立鉄男さんのドラマ見すぎて感覚おかしくなってるからなー。ピュアなのよ、みんな。

 

I will follow you あなたに追いてゆきたい

I will follow you ちょっぴり気が弱いけど

素敵な人だから

 

この頃 「follow」ってどういう意味なんだろ?なんて調べたものです。今じゃスマホで簡単に調べれますよね。羨ましい時代だ。ともあれ、ちょっぴり気が弱い彼だけど、素敵なところもあるようです。優しいのかな?そんな彼と一緒に生きてゆきたい、っていうのよ。

たまらんセリフですな。思わず手を握っちゃうなー。わたしなら。

 

ここのサビでは、おとなしい女の子が意を決したかのように力強く歌い出します。もじもじしている彼にこっちから言うわよ~!みたいな。素敵な人だから・・・。でトーンが少し下がる。メロディと歌詞のリンクが素晴らしいね。最後のハープがメルヘンですなあ。

 

心の岸辺に咲いた 赤いスイートピー

 

ここの一文、体言で締めるのよね。最後、ぱちっと閉まってる。うん、ジップロック

 

心の岸辺かー。心の何気ないところにポッ、と咲いたんだろうね。春の花として代表的な花らしいね、スイートピーって。男ってあんまり花のこと知らないのよ。調べると、すごいかわいい花なんだねー。こんなかわいい女の子の心に咲く赤いスイートピー。なるほどね、すごく似合ってる。ぽかぽかした春の陽射しにゆらゆらと揺れていますね、きっと。

 

そして最初のイントロに戻ります。8分で刻むストリングスがいいですね。二番の歌詞にわくわくが続きます。二人はどうなっていくんだろう、と。

 

四月の雨に降られて 駅のベンチで二人

他に人影もなくて 不意に気まずくなる

 

駅のベンチにいるのね。ああ、もう海には行って、帰りの電車待ってるんだ。四月の雨かあ、あったかい雨なのかな。四月ってまだ寒いかな。他に人影ないのか・・・。四月の海近くの駅。そうか、人、いないかも。

 

「不意に気まずくなる」

 まだ、あんまり付き合いは長くないのね。きっと。一番最初のデートって気まずくなったりするかも。緊張してるからね。

 

何故 あなたが時計をチラッと見るたび

泣きそうな気分になるの?

 

ここの歌詞がいいですよね。女の子の心情がよくわかります。彼がチラッと見るんですよね、時計を。その小さな動作さえも見えてる。ほんとに会話もなく固まってる二人なんてしょう。で、彼女は「早く帰りたいのかなー」って悲しくなるのよ。「私はもっと一緒にいたいのに」

 

 

で、少し歌詞をとばして

 

好きよ今日まで 逢った誰より

I will follow you あなたの生き方が好き

このまま帰れない 帰れない

 

ここはサビ終わりにメロディをかぶせて歌い出します。それによってたたみかけるような心情を表現してます。「伝えなきゃ、伝えなきゃ!」っていう気持ちが溢れてます。この曲の最大の魅力です。意を決して彼を見てる主人公が見えます。

 

「このまま帰れない」、もう一度「帰れない」と繰り返します。ここも素晴らしいですよね。ハンカチかなんかを膝の上で握りしめている。なんか、そんなシーンを想像します。彼のことがほんとに好きなんだってわかりますよね。歌詞もメロディも見事に表現してる。

 

心に春が来た日は

赤いスイートピー

 

さあ、このあと二人はどうなっていくんでしょうね。「心に春が来た日」。それはこのあとすぐなんでしょうか、それとももう少し先の未来なんでしょうか。そんな想像を残しつつ、赤いスイートピーが彼女の心に咲き乱れ、ハッピーエンドになることをリスナーの想像に託しています。

 

うーん、やはり名曲ですね。こうやってあらためて聴くと、素晴らしい楽曲であることがわかります。

 

やや、低音の音域が歌いにくそうですが、それもかわいらしいです。セリフのように感じてGood!です。曲はセブンスが多く使われていてユーミンらしい都会的でおしゃれ曲ですよね。そこに聖子ちゃんの主人公を演じるボーカルのテクニックが加わって、最強のラブソングとなっています。いやー、素晴らしい。

 

というわけで、今回は長文になったなー。

では、また会いましょう。

 

See  you  next

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の松田聖子論 各論「Pineapple」7

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みなさん、こんばんはRamoonです。

コロナの影響で人々の交流がなかなかうまくいきませんね。

友人も人に思うように会えなくて気が重い、って言ってました。

わたしは最近、動画で昭和の名作ドラマ「パパと呼ばないで」をよく見てます。石立鉄男さん主演のドラマです。1972年の放送ですからもう、48年前ですか。

昭和の東京の下町が物語の舞台なんですが、人の人情や家族愛に溢れ、不覚にも何度も泣いています。平成、令和と時は流れ、わたしは大切な「何か」を忘れてしまったように感じます。

 

さて、今日もいきますよ!

 

 

 

3  Pineapple

⑦ レモネードの夏

 作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂 編曲:新川博

 

さあ、7曲目「レモネードの夏」。 

編曲者が新川博さん。すいません、あまり存じ上げません。少し調べよーっと。調べてみるとー。どうやらこの曲は松任谷由実さんつながりのようですね。ちなみに他の曲を見てみると・・・、うーん、おっ!高中正義さんの「渚・モデラート」の編曲してるんだ。他は・・・、1986オメガトライブの「君は1000%」。

 

さて、曲へと参りましょう。

 

冷えたレモネード 白いカフェから

揺れる木漏れ陽を見たの

あとあなたに逢えれば もうひと足 早い夏

 

なるほどねー。もうこれだけでこの曲の要旨がわかるってもんじゃないですか。

「冷えたレモネード」、「白いカフェ」、「木漏れ陽」。もうこりゃ、避暑地のオシャレなカフェにいるんでしょう。ポッキーのコマーシャル。ハッとしてGood!をバックに電話BOXで出会うみたいな・・・。ものども、であえ、であえー!(時代劇風に)

 

そんな避暑地なんて行ったことない。あ、そういや、学生の時、バンド合宿で行ったっけな・・・。あんまりいい思い出はない(´;ω;`)ウゥゥ

 

そう!ときめくような出会いなどなかったではないか!なんて寂しい人生。

いかーん!最近僻みっぽくていけねーや。(江戸っ子風に)次、つぎ。

 

樹にもたれた 貸自転車

コテージから光を縫って来た

想い出には縛られない

もう恋などする気も無い私

 

いやー。こんなおしゃれな青春時代を過ごしたかったなあ。後悔先に立たずってね。

まあ、このカフェに自転車漕いでやってきたのね。なんか失恋して、「恋なんかもうせんわーい!ルネッサーンス!(ヒゲダン初期型)」状態なのね、きっと。

 

少し淋しげな 深い青空が

肩に降り注ぐ避暑地

あとあなたに逢えれば もうひと足 早い夏

 

失恋するとさ、何をしても楽しくないのよね。こんなおしゃれなカフェで、良質マイナスイオンが降り注いでるのに、青空が逆に淋しく見える。心にぽっかり穴が開いて、風がヒューヒュー抜けてくのよ。

 

今は私も20才 自由に生きる事を

憶えながら 一人で生きてる

 

ここ、少し違和感があるんだよなー。いきなり演歌なんだよ。Cメロとして存在感はありますが。Aメロ、サビとサラッとくるから、ドン!と置いたのでしょうね。

 

時が消した 胸の痛み

忘れるのに一年かかったわ

 

(この後の歌詞省略)

 

そうかー。わたしは、女性ってあんまり未練とか持たないと思ってたけど。わたしは失恋から立ち直るのにどれくらいかかったか、ってーとー。うーん10年くらいかな。ながーい!(ハンバーグ師匠風に)

 

この曲のようにさ、オシャレな避暑地に行って冷えたレモネードの薄いスライスを噛めばもっと早く忘れられたのでしょーか。ううっ。

 

しかし、このアルバム「Pineapple」をそっと盛り立てるいい曲です。夏を感じるなー。

さわやか。

 

では、今日はこの辺で

 

See You 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の松田聖子論 各論「Pineapple」6

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みなさまお元気ですか。

所長のRamoonです。

昔に記事を振りかえってみますと・・・。

およそ考察といえないものばかり。

反省してます。

今夜はしっかりと考察するぞ!

おーっ!

 

 

3  Pineapple

⑥ピンクのスクーター

 作詞:松本隆 作曲:原田真二 編曲:大村雅朗

 

確かこの曲は、アルバム、LPのB面の1曲目。LPってわかる?でっかーい、黒ーい円盤。今じゃ知らない人もいるよね。A面、B面てあってね、その円盤の裏と表に音楽が記録してあって、ひっくり返して聴くのよ。そんなめんどくさい物、というなかれ。聴くのが大層だからこそ、ありがたみもある、ってものよ。なあ、さくら~。

 

で、この曲は裏にひっくり返して1曲目なわけです。A面の「P・R・E・S・E・N・T」同様、どんな曲が始まるのかドキドキ、ワクワクなのですよ。すると、エレピとともに美しいハーモニーから入ってくるじゃないですか。くうーっ!川平慈英が唸っちゃうじゃないの。この曲書いたの誰?とみると原田真二さんじゃあーりませんか。やっぱりね、書く世界が独特よね。ま、この時点ではイントロだから編曲者を称えるべきところだよね(;^_^A

 

ともあれ、最初のイントロのハーモニーからして「やられた~」ってなるわけですよ。コーラスの歌詞はなんて言ってんの?Hello good‐day sunshineってか。おお、なあんてさわやかなんだ~!そこには、どよんとした不健康な心などあらへん!ピュアな女の子がおるだけなんですわ~。と、時を戻そう(By ぺこぱ)

 

ちょっとあやしいのよ 電話してこない

しゃくにさわるけれど気がかりな恋ね

 

軽快なシャッフルのリズムにのって歌い出します。ほほう、彼が最近連絡してこないとな。後ろで電話のコール音鳴ってんじゃん。「何回もかけてんのに、このガキャー!」と怒り心頭なのね。そりゃけしからん。しかし、「しゃくにさわるけれど」がいいねー。気が強い子なんだろうね。「たいていのことは気にしないわ。でも、あなたのことは気になるのよ~!もう!」という言葉が隠れているよね。

 

突然に部屋を訪ねようかな

 

おお、強制家宅捜査にでるわけですな。そりゃ思い切ったことをしなさるのう、お嬢さん。もし、そこに他の女性がいたら修羅場ですな。ここのメロディは、「よし、モヤモヤしててもしかたない!行くわよ!」なーんて声が聞こえてきそうな展開です。「訪ねようかーなー」の「なー」の表現!思い立ったはいいけど、これでいいのかな?⤵って迷いのニュアンスが出てる。ここ!聖子ちゃんが天才といわれるところですよ!あたしゃ悶絶っ!

 

ピンクのスクーターで 緑の街を駆け抜け

スカートをなびかせて あなたの胸に走るわ Good‐day Sunshine!

 

うむ。さすがサビです。トントントンってリズムに軽快に乗って走ってるスクーターが目に浮かぶじゃないですか。「駆け抜け」のところの拡がり感。コード進行なんですかね。ここ、センスありますよね。緑の街、おそらく公園かなんかがスクーターの背景にあるのでしょうな。ピンクのスクーターがその背景の中を駆け抜けていく、彩りあざやかなそんなシーンが見えます。「あなたの胸に走るわ」気持ちだけが先走るのね。会いたい!それだけなのよ。がんばれ!主人公の聖子ちゃん!

 

陽炎の坂駆けのぼったら 世界中が輝いたの

 

ずるいなあ、この締め方。かっこいいですやん。坂をのぼって行ったんですよ、ピンクのスクーターが。で上り切った坂の上。高いところだからパッ、と視界が広がったんでしょうな。憶測ですが、坂の向こう側は港街なんですよ。キラキラ海がきらめいている。そう!エースをねらえ!のあの街のように!おそらくカモメが飛んでる(笑)

 

輝いたの~って言った瞬間、バックの演奏は渦巻のような旋律に。そして最初のイントロへもどる。にくいね~三菱。(杏ちゃん談)

 

そしてまたあのコーラス。美しい。なんぼでも聴いてられる。男のコーラスでゴツゴツしてないって素晴らしいじゃないですか。

 

わざと冷たくして わたしの気ひくの

それがいつもの手と知りながら走る

 

なんとな。そんな手など使ったことなどないぜよ。そないな手があるのか。イケメンなのか?やはりそやつは。そうであろう。そうに違いない。わたしも、そんなこと、して、みたーい!(´;ω;`)ウゥゥ

 

うわー。そんなかっこいい男になりたいわー。わたしなら、慌てて電話とるけどな!

 

もとい。

 

よく来たね。そっけなく言うかしら

 

松本隆さん。いいわー。「よく来たね」と、セリフが入ってるんですよ。男の姿が目に浮かぶじゃないですか。高身長でやさしそうな彼なんやろなー。ガツガツしてなくて夢があって、それを追いかけてて、彼女にかまう暇もなく・・・。みたいな、そないな男性。

 

ピンクのスクーターで 緑の街を駆け抜け

ホーンをひびかせたら やさしい手で抱きしめて

 

さあ、結果やいかに!そう、まだ彼女は男性宅へは到着しておりませぬ。すべてスクーター上での妄想なのであります。うむ。心配だ。いや、きっとハッピーエンドに違いない。そーんな余韻も残しつつのフェードアウトなのであります。このフェードアウト。緑の街をバックに聖子ちゃんの乗ったピンクスクーターが消え去っていくシーンが目に浮かぶ。そう、カメラがグーンと上空にパンしていき、引きの街全体の画になるような。

 

少女漫画の世界感かなー。好きですよー。とても初々しい。さわやかだ。聴いていて微笑ましい。ああ、筆者も中学生にもどりたいっ!ま、永遠に中二病ですが・・・。

 

今夜は以上になります。

 

では、また。

 

See You!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の松田聖子論 各論「Pineapple」5

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ずいぶんとお休みしてしまいました。

いつ以来なんだ・・・。

毎日、一生懸命生きてるんですけどね。気が付くとずいぶん時が経ってる(´;ω;`)ウゥゥ

筒美京平さんが亡くなったと。80年代の音楽はこの方を抜きにしては語れません。しかしながら、聖子ちゃんには提供してないんですよね。これがまた、聖子ちゃんずスタッフの意地だったのかもしれませんね・・・。

 

では、今夜もお付き合いくださいね。

 

 

3  Pineapple

渚のバルコニー

 作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂 編曲:松任谷正隆

 

さて、5曲目は9枚目のシングルになっている「渚のバルコニー」。

この曲は聖子ちゃんの曲の中でも、ど真ん中のストレート。純粋なきれいな直球です。

夏の曲でも「天国のキッス」などは大リーグボール1号と思えるような球種もあります。(萌え萌えの衣装着て、作られた「松田聖子」を演じてるからね)

 

短いイントロからいきなりサビのフレーズ。透明感のあるコーラスに夏を感じます。

そして、張りのあるきれいな聖子ちゃんの歌声。R&Bを歌う「私は歌がうまいのよ」みたいなオーラを出すミュージシャンとは違う、控えめながらしっかりと主役を演じる聖子ちゃんがいます。

 

渚のバルコニーで待ってて ラベンダーの夜明けの海が見たいの そして秘密・・・」このフレーズだけでこの曲の世界へリスナーを引っ張り込む。作詞者、作曲者、編曲者。いい仕事されてますねー。聖子ちゃんが見事にコントロールしています。

 

そして、この透明感を醸し出しているのが松原正樹さんのギターですよね。多くのレコーディングに参加されている方です。たしか数年前に亡くなられたと記憶しています。松原さんといえば、松山千春さんの「長い夜」が一番に思い浮かびます。とてもクリアな不純物のないサウンドだなーって思っていました。調べてみると、キャンディーズの「微笑がえし」も弾かれていたんですね。ほんとに、日本のミュージックシーンを支えてきた方です。

 

曲はアイドルの王道って感じですね。テーマから入り、Aメロでドン、ドドン、ドン、ドドンのファンが手拍子入れやすいリズム。もう、テレビ番組ではどハマりの曲。なんの文句もありません。あの、80年代の瑞々しい夏の記憶が蘇ってくるではありませんか。

 

歌詞ですが、ラベンダー色の夜明けの海が見たい。夜明けだから朝日で赤みがかるよね?ラベンダーって何色だっけ?調べてみると・・・。ほう、青みの紫とな。確かに夜明けの海がこの色だと雰囲気あるなあ。そしてシソ科なのね、ラベンダーって。

 

でもこの歌詞の世界感いいなあ。右手に缶コーラ持って左手にはサンダル。そう、ビンではないのよ。昔はビンだったのよー、諸君。「おばちゃん、コーラちょうだい」言うて栓抜きで栓を抜きますねん。そこは何でも売ってたなあ。卵はパックにも入ってなくて、紙袋に入れてくれる。パンは何枚切りかいうたらその場で切ってくれて。駄菓子もあって、日用品もあって。懐かしいなあ。

 

おっと、缶コーラから思い切り逸脱してもうた!いかんいかん。

もとい。

そんな、彼女を波打ち際でジーンズを濡らして遊ぶ彼が、「こっち来いよ!」って言うんだって!きゃーっ。ってなるわな(笑)

 

そしてやがて朝が霧のヴェールで二人を包み込むらしい。ほう、なるほど。18禁の霧ですかな?

 

あと、ここ。

 

砂の浮いた道路は 夏に続いてる

 

砂の浮いた道路か・・・。目に浮かぶよな。そして夏に続いてると。

おー!遠き青春よ!わが手に戻ってきておくんなましー(´;ω;`)ウゥゥ

 

この曲は間違いなく、聖子さんの第一次内閣のピークの曲であると確信いたします。

日本国で言えば東西の分かれ目、そう、名古屋でございます!

 

渚のバルコニーは名古屋なのであります!

 

すいません、少しふざけてしまいました。

 

ホントに、このアルバム大好きなんですよねー。

 

それでは今夜は以上で。

 

また、お会いしましょう。

 

See You!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんちゃって音楽研究所」臨時号

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コロナウイルスで世界は大変なことになっています。

みなさんいかかがお過ごしでしょうか。所長のRamoonです。

 

今回は順番から言うと「渚のバルコニー」の考察なんですよね。

下書きをしたりしていたのですが、なんだか気が乗らないまま時間が過ぎたという感じです(;^_^A

 

言い訳しますと、とある勉強を始めましてそちらが忙しくなり・・・。

ま、それはいいとして今回は!臨時号としまして、やはり80年代の音楽を語りたい!

(「渚のバルコニー」はすいません、また今度で!)

 

僕達のダイアリー 歌:H₂O

作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:星勝

 

二人組のH₂Oのセカンドシングルです。H₂Oといえばアニメ「みゆき」のエンディングテーマ「想い出がいっぱい」が有名ですよね。あと「Good-byeシーズン」とか。

 

ニューミュージックと呼ばれるジャンルのデュオの中で、初期のチャゲアスとかアリス(3人組ですが(;^_^A )とかのフォーク要素は感じない、さわやかなイメージがあります。

 

さて、この曲は1980年にフジテレビ系で放送されたテレビドラマ「翔んだカップル」のエンディングテーマであり、このドラマと一心同体といってもいいかもしれません。(映画版もあり、こちらは薬師丸ひろ子さんが主演しています。こちらにも挿入歌としてH₂Oの歌が起用されています)

 

当時、私もまだ小学生だったような気もしますがこのドラマを記憶しています。あらすじを紹介しますと、高校に入ったばかりの主人公・田代勇介と同じクラスの山葉圭が不動産屋の手違いから同じ屋根の下で共同生活を送ることに。そのうちお互いに好意を抱くようになるが想いを素直に伝えられない。また、三角関係やら四角関係やらに発展していく。というようなもの。

 

このドラマ版はオリジナルストーリーとはかけ離れているそうですが、私の中ではとても好きなドラマでした。特にヒロインの山葉圭(桂木文)さんのチャーミングさには参りました。ただ、このドラマ以外であまり見たことはないんです。もっと活躍されててもいい女優さんなのに。

 

桂木文さんはこのドラマの前に郷ひろみさんの恋人役のオーディションで4万人の中から選ばれたそうです(すごい!)。このドラマのセリフの言い回しが時代をよく反映しています。

 

「ずいぶん嬉しそうですね。訳は分かっていますけどね。」「何のこと?」「中山君にあれだけ積極的にエスコート申し込まれりゃあね。」「あら!何よ、そういう勇介君だって杉村さんからさ、あんなに積極的にホスト役申し込まれて。やらしい。鼻の下が伸びてますよーだ。」「バカな!」

 

このセリフのやり取り(笑)。この当時の男女でもこのようなやりとりが一般生活で存在したのであろうかと首をひねりました。まるで時代劇のセリフぐらい非現実的なのです。「俺は男だ!」ぐらいの世界感であります。

 

さて、話は大きく逸れましたが、この世界感を持つドラマ「翔んだカップル」のエンディングテーマとしてドラマの放送終了後、歌が流れるわけですが、なんとも切ない気分になるのです。「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマ、EPOの「DOWNTOWN」が流れ始めた時の気分に似ているのです。番組が楽しい分だけ終わりが寂しく感じてしまう現象。まさしくそれでした。

 

ドラマ版の「翔んだカップル」はほとんどラブコメディーといってもコントに近いものでした。毎週続く、長い長いコントを見ているようでした。その中に淡い恋心を抱く若者の青春生活が描かれていたのです。YOUTUBEのコメント欄でも「涙が出てくる」とありました。まったくの同感です。コメディーを見て涙が溢れる。その心に何が浮かんでいるのでしょう。

 

たかが恋などと言ってくれるなよ 僕には大問題だ ややこしくて

女心にはまるでお手上げさ 大胆不敵な天使 かなわないよ

 

さあ、やっと歌詞です(笑)

来生えつこさんの歌詞です。中森明菜さんの「スローモーション」や「セカンドラブ」などで有名ですね。

 

この曲の歌詞はホントに当時の中学生あたりが思い描く女性への期待や関心で満たされています。なんと瑞々しくピュアなんでしょうか。ここの辺りがドラマとリンクしています。「大胆不敵な天使」この歳頃は女性の方が精神年齢は高いようで、今考えると男どもはなかなかに子供だったような気がします。「大胆不敵な天使」この言い回しで想像が膨らみます。うまいですね。

 

キスの味はレモンパイ 肌の香りラベンダー

その気にさせて肩すかし 僕をじらすよ

 

有名な歌詞ですね。「キスの味はレモンパイ」(笑) くーっ。川平慈英風に唸ってしまいます。味なんてあるわけないよね。なのにこう来る。そう、想像が作る、妄想が作る表現。中学生が思い描いたことでしょう。

 

「肌の香りラベンダー」並列してこの表現がきます。意味合い的に「キスの味」と同じ。ラベンダーの香りって(笑)。そう、するかもしれない(笑)。頭の中が誤作動を起こし脳内でラベンダーの香りを感じとるやもしれない。これぞ、この歳頃の身体が生み出す不思議。と、いうところまで表現しているのですよ!

 

あちらこちらカップルが 翔んで翔んでうわの空

やたら僕を刺激する ドンマイドンマイ今に見てろよ

 

パートナーのいないクリスマス、誕生日ほど寂しいものはない。私は友人と略してLC、LBと呼んでいました。ロンリークリスマス、ロンリーバースデーの略なのです。モテない輩は今でいう「リア充」の人々を敵対視しうらやむのである。うむ。

 

「ドンマイドンマイ 今に見てろよ」ードント マインド(気にするな)ー野球部などでドンマイドンマイ、と普通に耳にしましたが、よくわかってなかった言葉です(;^_^A

 

今に見てろよ、ってのは今でも思ってしまう。綺麗なおねーさんと一緒に歩いている男にはね!(笑)

 

さて、サウンド面ですがBm→D→G#m7♭5→Gのベース音が落ち方が好きです。Aメロのベースラインも。耳に心地いいです。エレピの音色・メロや後ろで流れているシンセ?これがアンニュイなニュアンスを出しているんじゃないかと。あの、「オレたちひょうきん族エンディング現象」を。Aメロ二回目でパーカッション、フルートが入ってきます。フルートもダメですよ。切なさを助長しますから!

 

サビに入るとベースがスラップをはじめ、グルーブ感が出てえらくかっこよくなります。ハイハットオープンもかっこいいですね。「その気にさせて肩すかし」のところのベースラインとエレピの絡み合いも憎いです。サビの二週目ボーカルがハモりだし、スネアのフィルインのとこ、しびれる~!なぜこの曲が名曲とならないのか?素晴らしい!

 

間奏も今回初めて耳にしたのだが、SAXソロだったのですね。こちらもかっこいいのできいてみてください。

 

この曲はこのドラマの世界感と切り離せないと思います。過ぎ去りし遠い青春。それを噛みしめながら聴くのが一番です。

 

さて、今日はここまで。

ではまた。

 

See You

 


H 2 O【 僕 等 の ダ イ ア リ ー 】

 

 

 

 

 

 

 

 

私の松田聖子論 各論「Pineapple」4

 

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今年もあと半月。早いなあ。

 

みなさんこんばんはRamoonです。

 

先日、重い荷物をいくつか移動してたんです。そしたら腰がこきっ、となりまして・・・。

 

気のせいだと、再度腰を曲げて荷物に手をかけると・・・。ち、力が入らん。

それに、い、痛い。

 

しばらくの間、じっとしてるとどうやら動けるようだ。ぎっくり腰ではなさそうだ。

ほっと胸をなでおろした・・・のが数日前。痛みは残ったまま・・・。

 

これ治らないのかなあ。なんて憂鬱な日々。

 

うーん、若くはない、と現実を軽く受け止め、「Pineapple」の4曲目いきましょう(笑)。

 

3  Pineapple

④LOVE  SONG

 作詞:松本隆 作曲:財津和夫 編曲:瀬尾一三

 

「LOVE SONG」愛の歌です。そのままの題名ですが、この曲、アレンジが素晴らしい。瀬尾さま、いい仕事しておられます。

 

個人的な感覚なんですが、小雨が降るような薄暗い天気の午後って感じなんですよね。なんだか寂しいんですけどそんな日もあっていいかー。なんて日あるでしょ。

 

特に予定もなくて、部屋の窓からボーッとアンニュイな時間を過ごしているような。

 

曲ですが、最初にアレンジがいいなあと思いました。アコースティックな導入。ピアノ、ギター。

イントロがいいですよね。7thのコードがアンニュイなムードを醸し出しています。

ギターのハーモニクスでしょうか?センスよく入ってます。

 

歌い出しですが、うまく歌うというよりは、セリフを言うかのように歌っています。

 

「あなたにあえなくて 淋しい夜には 元気でと小さく つぶやくしかない」

夜なのかー。私の感覚では午後なんだけどなー。ちょうど「ヤンソン’82 8月号」の「Pineapple」特集の写真のイメージなんだけどなー。

 

そして歌詞のとおり「つぶやく」ように歌っています。うまいなー。このあたり。表現が憎いです。わざとらしくないのです。あくまで歌の範疇でやってるのが聖子さんなんです。これで曲の世界に引き込まれていくのですね。

 

「ずっと愛してる」あたりから、歌唱力を発揮してきます。

「たとえ雨でも」前、ベース音からBm7→Cm7→C#m7の流れがいいですね。クッ、と感情が入ってきます。

 

「あーしーたーのー」ゆっくりとしたリズムでサビに入ります。ストリングスが広がり感を演出します。「忘れなさいと」のところのⅮ→C#→Bのベース音もいいですね。

 

「愛してる」の後の「I love you so」のコーラスが効果的ですよねー。少ないコーラスなのに必要不可欠なんですものね。「他には何もいらないの」に効果的につなぎます。感情が入りますよね。「My love」高い音ですが、きれいに歌っています。うまくまとまっていますよね。

 

「少しだけ不安が心を横切る」ゆれる恋心。これだけで歌詞になりますな。オヤジ世代にはもう忘れさられたワードですよ。しかしそれを聖子さまが演じてくれているのですよ。

 

と、まあ話は続いていくのですが、「恋する彼を待ち続けるのが私の生き方よ」という「待ち」の姿勢を貫くという生き方を表明して終わります(笑)

 

しかしこの曲も世界感が好きです。恋する心を思い出させてくれます。聖子さんだからできる仕事ではないかと。拍手。

 

曲はしっとりとしたアウトロで終わっていきます。ストリングスがいいですよね。フェードアウトも余韻を残す演出です。素晴らしい。

 

さて、今夜もここまで。

 

また次回

 

See You!

私の松田聖子論 各論「Pineapple」3

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こんばんはRamoonです。

日が暮れるのも早くなりました。

なんだか人恋しくなりますね。

 

今夜もしばらくのお付き合いを

 

 

 

 

3  Pineapple

③ひまわりの丘

 作詞:松本隆 作曲:来生たかお 編曲:船山基紀

 

さて、3曲目「ひまわりの丘」です。

当時もそうですが、この曲だけ違和感がありました。なんだか学校の教科書に出てきそうな曲だな、と。「く・ろ・いー、ちいさなラ・ジ・オー」と行進して歌いそうな。曲調は明るいのに歌詞は遠い昔の彼の思い出を歌ってる。どう受け止めようか。

 

歌詞と曲はどちらが先だったのでしょう。曲なのかな?メロディーに歌詞を入れたのかな。歌詞と曲のバランスに少し違和感。

 

別れた彼を忘れるまで時間がかかった。勇気を出して大好きだった彼との思い出の地を訪ねて自分の気持ちにケリをつけよう、と。だからわざと明るく、行進曲のような要素があるのかな。

 

最初のピアノ。少し小さめの音量です。

ゆっくりとひまわりの咲く丘へ向かって若い女性が上ってくる風景が見えます。夏の陽射し。

 

歌が始まると、過去の二人が歩いているセピア色の画になります。黒い小さなラジオを耳に当てて歩く彼。その横に主人公。

 

この曲の行進曲のようなリズムはトコトコと歩いている感じを表現してるのですね。

 

歌詞に「白い夏のイメージね」とありますが、夏の強い陽射しを感じますね。ジリジリするような。

 

「入り江はエメラルド 風が吹きぬける」で、その夏のジリジリ感にさわやかな風と透明感のある色彩を入れるところはさすが松本隆先生でございます。

 

「あなたのつけていたヘアリキッドの香り」ヘアリキッドといえば資生堂「BRAVAS」ですよね。違う?昔、通ってた理容室に置いてあったな。散髪の最後におじさんが毎回「ヘアリキッドつけはる?」って聞いてくる。当時中学生だった私は「け、結構です。」って返したっけ。懐かしい。

 

今の若い人はヘアリキッドって使うの?てか、知ってる?(笑)

もしかしてオジサンワードか!

 

ともあれ、「もう泣かないと約束するわ 空を見上げて咲く 花のように」と締めくくる。そう、世の乙女たちよ。失恋してもこの曲のように明るく生きるのだ!

 

いや、だいたい未練がましいのは男なんだよね(笑)。女性の方が立ち直り早い。経験上(笑)。

 

というわけで、今回もありがとうございました。

また次回お会いしましょう。

 

See You