なんちゃって音楽研究所

80年代音楽を中心になんちゃって考察をするブログ

私の松田聖子論 各論「Pineapple」8

 

f:id:brooki:20201123120702j:plain

引用:集英社「明星3月号(1982)YOUNG SONG」より

このブログも2019年4月から始めて、もう一年半ですよ。

早いもんですね。時が過ぎてゆくのは。

こういうのなんて言ったけな・・・。

あ、「ジャネーの法則」か。

「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」

ということらしいです。

 

さ、今夜もよろしくお願いします。

 

3  Pineapple

赤いスイートピー

 作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂 編曲:松任谷正隆

 

とうとう来ましたね。赤いスイートピー。歌い継がれる名曲です。

最初のピアノからウルッときちゃいます。なんだこの切ない旋律は。この時点でいい曲だとわかるよね。正隆さん、すごいっ!車好きなのよね、正隆さん。(関係ないか)

 

1982年1月にリリースされた8枚目のシングル。だからこの曲を聴くとあの頃の冬の季節にタイムスリップしちゃう。わたしもちょうど思春期と呼ばれる時期に差し掛かってまして、ほんと春まっさかり!でした。歌詞の内容にはまだ幼い年齢でしたが、異性に対するあこがれもあり、恋人ってこういう気持ちになるの?なんていうふうに聴いたものでした。

 

繰り返されるピアノのメロディ。そしてそこに加わってくるやさしいコーラス。

ほんとにやさしいラブソングだ。これから始まるストーリーにわくわくします。

 

春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ

煙草の匂いのシャツにそっと寄り添うから

 

「春色の汽車に乗って」この歌詞から暖かな春の陽気を感じます。そして桜をイメージしたピンク色。これだけで、温度、色彩を感じます。そして、彼と海にデートに行くようです。煙草の匂いというのですから、まあ大人の男性というところでしょうか。寄り添うという表現からつつましげな彼女が目に浮かびます。

 

こんな優しげな入り方あった?聖子ちゃんの曲で。意外とないような。ピアノメインのシンプルな伴奏。しっとりとしたメロディ。メロディの隙間を埋めるオブリガードも最高!

 

「寄り添うから」の後のストリングスの旋律いいですな。Bメロにきれいにつながっていきます。

 

何故 知り合った日から半年過ぎても

あなたって 手も握らない

 

いいねー。ピュアな恋愛。女の子にはまどろっこしくなるのでしょうな。「ええい!てやんでい、べらぼうめ!さっさと手を握っちまえばいいんだよー。」と思ってるはず。(そんなわけあるかい!(笑))

 

まあ、でもね。男側からすると大事に想いすぎて何もできなかったりするのよ。嫌われたらどうしようってね。ま、これもこの時代のあるあるかもね。わたし最近、石立鉄男さんのドラマ見すぎて感覚おかしくなってるからなー。ピュアなのよ、みんな。

 

I will follow you あなたに追いてゆきたい

I will follow you ちょっぴり気が弱いけど

素敵な人だから

 

この頃 「follow」ってどういう意味なんだろ?なんて調べたものです。今じゃスマホで簡単に調べれますよね。羨ましい時代だ。ともあれ、ちょっぴり気が弱い彼だけど、素敵なところもあるようです。優しいのかな?そんな彼と一緒に生きてゆきたい、っていうのよ。

たまらんセリフですな。思わず手を握っちゃうなー。わたしなら。

 

ここのサビでは、おとなしい女の子が意を決したかのように力強く歌い出します。もじもじしている彼にこっちから言うわよ~!みたいな。素敵な人だから・・・。でトーンが少し下がる。メロディと歌詞のリンクが素晴らしいね。最後のハープがメルヘンですなあ。

 

心の岸辺に咲いた 赤いスイートピー

 

ここの一文、体言で締めるのよね。最後、ぱちっと閉まってる。うん、ジップロック

 

心の岸辺かー。心の何気ないところにポッ、と咲いたんだろうね。春の花として代表的な花らしいね、スイートピーって。男ってあんまり花のこと知らないのよ。調べると、すごいかわいい花なんだねー。こんなかわいい女の子の心に咲く赤いスイートピー。なるほどね、すごく似合ってる。ぽかぽかした春の陽射しにゆらゆらと揺れていますね、きっと。

 

そして最初のイントロに戻ります。8分で刻むストリングスがいいですね。二番の歌詞にわくわくが続きます。二人はどうなっていくんだろう、と。

 

四月の雨に降られて 駅のベンチで二人

他に人影もなくて 不意に気まずくなる

 

駅のベンチにいるのね。ああ、もう海には行って、帰りの電車待ってるんだ。四月の雨かあ、あったかい雨なのかな。四月ってまだ寒いかな。他に人影ないのか・・・。四月の海近くの駅。そうか、人、いないかも。

 

「不意に気まずくなる」

 まだ、あんまり付き合いは長くないのね。きっと。一番最初のデートって気まずくなったりするかも。緊張してるからね。

 

何故 あなたが時計をチラッと見るたび

泣きそうな気分になるの?

 

ここの歌詞がいいですよね。女の子の心情がよくわかります。彼がチラッと見るんですよね、時計を。その小さな動作さえも見えてる。ほんとに会話もなく固まってる二人なんてしょう。で、彼女は「早く帰りたいのかなー」って悲しくなるのよ。「私はもっと一緒にいたいのに」

 

 

で、少し歌詞をとばして

 

好きよ今日まで 逢った誰より

I will follow you あなたの生き方が好き

このまま帰れない 帰れない

 

ここはサビ終わりにメロディをかぶせて歌い出します。それによってたたみかけるような心情を表現してます。「伝えなきゃ、伝えなきゃ!」っていう気持ちが溢れてます。この曲の最大の魅力です。意を決して彼を見てる主人公が見えます。

 

「このまま帰れない」、もう一度「帰れない」と繰り返します。ここも素晴らしいですよね。ハンカチかなんかを膝の上で握りしめている。なんか、そんなシーンを想像します。彼のことがほんとに好きなんだってわかりますよね。歌詞もメロディも見事に表現してる。

 

心に春が来た日は

赤いスイートピー

 

さあ、このあと二人はどうなっていくんでしょうね。「心に春が来た日」。それはこのあとすぐなんでしょうか、それとももう少し先の未来なんでしょうか。そんな想像を残しつつ、赤いスイートピーが彼女の心に咲き乱れ、ハッピーエンドになることをリスナーの想像に託しています。

 

うーん、やはり名曲ですね。こうやってあらためて聴くと、素晴らしい楽曲であることがわかります。

 

やや、低音の音域が歌いにくそうですが、それもかわいらしいです。セリフのように感じてGood!です。曲はセブンスが多く使われていてユーミンらしい都会的でおしゃれ曲ですよね。そこに聖子ちゃんの主人公を演じるボーカルのテクニックが加わって、最強のラブソングとなっています。いやー、素晴らしい。

 

というわけで、今回は長文になったなー。

では、また会いましょう。

 

See  you  next