私の松田聖子論 各論「North Wind」7
す
雨です。6月は雨の季節ですね~。
みなさんこんにちはRamoonです。
中学生の頃、雨の日はよくクラブ活動がお休みになりましてね、その日は家で音楽を聴きながら過ごしたものです。
窓を伝う雨を見ながら物思いにふける。
私はそんな中学生でございました。
2 North wind
⑦スプーン一杯の朝
さあ、「North Wind」も前回より後半戦でございます。
「冬のアルバム」、「風は秋色」、「Only my love」を終え
残りの曲は消化試合・・・と思いきや。
この曲、なかなかの曲者ですぜ。曲者、元木大介ですな。
「スプーン一杯の朝」。曲名からして静かなポエムのような曲か流れるのかと思っていたんですが。ところがどっこい、リズムオリエンティッドな玄人好みの曲でした。ある意味この曲はわざとストライクゾーンから大きくはずしたウエストボールってやつですね。効果的です。
お寿司でいうガリですな。ちょっとここらで目先変えましょうや。っていう。
しっとりとした曲が多いアルバムの中でこの曲は一味違います。ちょっと王道の音楽シーンから外れた孤高のアーチストが作りそうな感じ。
しかしながら、ちゃんとアイドル路線のメロディは確保しており、POPで聴きやすい。その絶妙な絡み。これが「チーム聖子」の真骨頂でしょう。かわいいドレスを着て歌うアイドルではなく、メロディーや歌い方を変え、大人の女性がピアノなんか弾きながらこの曲を歌えば立派なミュージシャンの曲ですよ。
さて、曲ですがハンドクラップにベース、ピアノなどのユニゾンのリフから始まり、おっ?と引き寄せられます。歌に入ってからのピアノのバッキングがシンプルですが効果的ですね。
こういう曲を聴くと聖子さんが曲によって歌い方を変えてるのがよくわかります。「青い珊瑚礁」とか「風は秋色」とかの伸びやかな声は封印し、リズムを優先したアダルトムードの曲に合わせた歌い方をしています。「寒いわ」の「わ」のところとか「私」の「し」のとことかのピッチをわざとをずらしたりしてますよね。これは指示によると思いますが曲の方向性を大事にするこだわりを感じます。
歌詞の内容も絶妙なラインですね。アルバムの曲だからできることなんでしょう。「あなたの腕まくら カーテン揺らすモーニングシャイン」から始まりますので。今の時代ならともかく、当時のアイドルの歌詞にしては、「おいおい、穏やかじゃねーな。」レベルでしょう。しかし、そのあとに続く歌詞で、現実のことなのか夢の中のことなのかあやふやにうまく処理しています。「morning trip」という言葉でどう受け取るのか。おもしろいですね。
その「It's a morning trip」のあとの「Fu~」っていうスキャットがいいですよね。アダルティです。歌声やメロディはアイドルなのですが、バックやアレンジはアダルティというこのバランスがなんとも言えません。この曲のおもしろいところです。
キーボードの間奏やエンディングソロも心地よいです。フュージョンですよ。
意外にもリズムに乗っちゃう曲でございました。
さて、今回は以上です。
また次回
See You